扉温泉 明神館
長野県松本駅から車で走ること30分。 人里離れた山々のふもと、清流のせせらぎ鳴り渡る渓谷に、その旅館はあります。私が明神館を訪れたのは、新緑萌える初夏の頃。洗礼されたモダンな佇まいと青々とした緑の背景がぴたりと溶けあい、まるでひとつの絵画のような、ほのかな郷愁心をそそる爽やかな景観でした。


この日通されたのは、客室露天風呂付きの「二人静」という花の名前を持つ洋室。内装は濃い茶を基調とした洒落た造りで、大きな窓から見える一面の緑と渓谷が本当に美しく、言われずとも寛いでしまう最高級の環境です。
明神館には沢山の温かい真心のサービスが、しっかりと根付いていました。まず、客室で使われるシーツや枕カバー、タオル等には、オーガニックコットンが使用され、シャンプーやリンス、アメニティーは上質な品々で揃えられています。
1階の談話室では、音楽と本棚に並べられた書物がコーヒーと共に自由に愉しめるようになっており、オープンテラスからは、やはり緑を望むことができます。真空管アンプ等、細部に渡ってこだわりを感じられる落ち着いた空間です。
のんびりとした長い夜には、やわらかな水質の温泉に長湯するもよし、豊かな自然に溶け込むもよし、貸し出し可能なDVDをじっくり鑑賞するもよし、何もしないことだってまた格別な選択でしょう。

ところで、近年エコロジーに対しての関心が高まり、たくさんの企業がその分野に着目していますが、明神館はいち早く率先してエコ活動に努めてきた旅館で、生ゴミの堆肥化、無農薬の自家菜園、自家発電等どれも実際に行われてきたことなのです。
食事にも明神館ならではのこだわりがあり、JAS有機認定の自家農業で採れた野菜はもちろん、地元の新鮮な食材やこだわりの鴨米を使った、心と身体の健康のための「マクロビオティックな食事」が提供されています。
そして、この明神館には本格的なスパ「aroma room Natura(なつら)」があり、ビィオセンシィエールを使ったトリートメントコースがうけられます。
短い滞在でしたが、私は明神館で心の芯から癒されました。現在も予約の取り難い旅館ですが、真骨頂とも言えるような癒しの旅館に、今後もますますの来客が期待されます。

明神館は新たにRELAIS&CHATEAUX(ルレ・エ・シャトー)の会員認定を受けました。
(ルレ・エ・シャトーは世界のホテル&レストランのコレクションを創りあげるフランスの権威ある協会で、5つの厳格な審査基準をもち、ホテル・レストランを審査し加盟メンバーを選定しています。)










